中小零細企業の問題点と生き残りを考察

人手不足と賃金上昇で経営困難に!中小零細企業の対策どうしたらよい?

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中小企業の人手不足が深刻になっています。また、それに伴い、人材を確保するために賃金が上昇し、人手不足を原因として経営困難に陥っている企業も少なくありません。
また、最近はブラック的な職場などもかなり頻繁にニュースとなっています。
人手不足や、労働環境という問題については近年、社会的にフォーカスされており、日本企業は働き方の改善と人手不足の改善双方について解決を迫られています。
中小企業の人手不足の現状と、賃金上昇の実態と、解決策を追ってみたいと思います。

働き手の不足

今はどこに行っても「バイト募集」「従業員募集」というような張り紙を目にします。また、都会のコンビニや居酒屋の店員などの多くが外国人であるという光景も当たり前のようになりました。
この原因は、たった1つ、日本は今「人手不足」なのです。
この原因はどのような点にあるのでしょうか?

人手不足でバブル期を超える高水準の有効求人倍率

日本経済新聞によると、2017年4月の有効求人倍率は1.48倍となっています。
この数字はバブル期の最も高い有効求人倍率である1.46倍を0.02ポイント上回っており、企業の人手不足を如実に表していると言えます。
また、正社員の有効求人倍率も0.97倍で、統計を取り始めて以来過去最高となっています。
一方、完全失業率は2.8%となっていますが、一般的に完全失業率3%以下というのは、業務内容や、勤務地、賃金などと言った労働条件で折り合いがつかないがために起こるミスマッチ失業と言われており、実態として今の日本は完全雇用状態にあると言えます。
完全雇用状態であるにも関わらず、企業の人手不足が改善されないということは、「労働者が不足している」といえるでしょう。
2017年の労働者数が約6,500万人であるのに対して、バブル期の1990年の労総者数は約6,250万人です。
実態として見れば、労働者数が増えているにも関わらず、人手不足が大きくなっているのはなぜでしょう?
これは、女性の社会進出が進むにつれて、労働人口は増えているにも関わらず、フルタイムで働く女性がまだ少ないために、労働者数=フルタイムで働く人の数とはならないと言えます。
むしろ、フルタイムで働く人の減少を女性がパートタイムで補っているといえ、それでもまだ補いきれないため人手不足が起こっているといえるでしょう。

団塊世代の引退

2012年から2014年にかけて団塊の世代が企業の定年年齢である65歳を迎えました。
1947年から1949年に生まれたいわゆる「団塊の世代」が引退することによって、15歳から64歳までのいわゆる現役世代(生産年齢人口)の人口は年間79万人減少しました。
さらに、65歳以降も何らかの仕事についている人もそろそろ70歳を迎え、引退を考える年齢となっています。
最初の団塊世代の引退から5年、つまりそれが今の2017年なのです。
今後はさらに労働人口の減少が続くと見られ、企業の人手不足はさらに深刻化する見込みです。

全国的な人手不足

2017年4月の有効求人倍率すべての都道府県で1を上回っています。
「地方には仕事がない」というような話も今は昔の話で、今は、日本全国どこに行っても人が足りていない状況です。

パート求人の増加

また、ハローワークに提出される求人票の内容についてもパート労働が増加しています。
求人に占めるパート労働の割合はバブル期は10%前後でしたが、2017年4月では30%となっています。
主婦の社会進出が社会的に必要とされている実情を表してはいますが、扶養控除の範囲内であるいわゆる年収「103万円の壁」を意識して、意図的に労働時間を短縮している側面があり、パート労働の拡充が企業の人手不足をカバーしているとは言えない実情があります。
ただし、扶養控除の対象となる限度の年収は103万円から150万円へ2018年1月から拡大することが決まっています。
今後は、より一層パート主婦が社会の人手不足を補うことができるようにはなるでしょう。

 

ブラック的働き方の回避

人手不足であれば、業務を運営していくために、1人あたりにかかる労働負荷が大きくなります。
人手不足や「遅くまで会社にいるほど素晴らしい」という日本独特の企業文化が、昨今社会問題化した「ブラック企業」という考えを生んだとも言えます。

電通はじめとしたブラック企業が社会問題化

電通の事件でも有名になったように、昨今、ブラック企業が社会問題化されています。
筆者も銀行員でしたが、仕事がないのに帰れない、ノルマをこなすまでは帰れない、などというのは当たり前で、毎日数時間のサービス残業を強いられていました。
帰ろうとすると「よく仕事が終わっていないのに帰れるな」と上司からきつく当たられることもしばしばです。
精神的に追い込まれて、会社へ出てこれなくなってしまった同僚も何人もいました。
「汗をかいてお金を稼ぐ」ことが美学のようになっている日本企業では、数年前まではこのような企業はざらにありましたが、最近は世論の変化と、有名企業の相次ぐブラック勤務の実態があらわになるにつれて企業も様々な働き方を取り入れて労働環境の改善を図っています。
深刻な人手不足によって、労働環境の改善を図らなければ、人材を確保することができずに企業にとっても困ってしまうのです。

多用な働き方の取り組み

昨今、コンビニの役割は非常に多岐にわたっています。小売りだけでなく、公共料金の支払い、チケットの発行、宅急便の受発送等と業務が複雑化する中での人手不足ですので、現場従業員の負担は軽いものではありません。そこで大手コンビニチェーンのファイミリーマートでは、ポスターや値札の数を削減し、作業にかかる時間を半分に減らすことで、忙しさを緩和しようと考えています。
また、ただでさえ人員の少ない中小企業では、すべての工程を従業員1人がすべて行うケースもめずらしくありません。
このため、ある中小企業では、作業が難しい工程をベテラン従業員に、比較的単純な作業は若手社員に任せるなどといった工夫で、会社全体の労働時間の短縮を図っています。
「技術は先輩社員から盗むもの」といった古い日本のものづくりの体質から脱却し、会社全体で作業効率の上昇へ取り組む企業も現れています。

 

中小企業の人出不足倒産とは?

今、中小企業の「人手不足倒産」という現象が社会問題となりつつあります。
人員不足による経営困難、賃金上昇による経営圧迫などによって中小企業の経営が圧迫されています。
中小企業の人手不足倒産の実態は以下のようになっています。

4年前の2.9倍に

帝国データバンクのまとめによると、中小企業の人手不足による倒産は、2017年上半期(1~6月)で49件となっています。
前年比で44.1%の増加となっており、4年前の2013年と比較して4.9倍となっています。
また、小さい企業ほど人手不足が顕著で、2016年上半期は負債規模「1億円以上5億円未満」が14件だったのに対し、2017年上半期は23件に増加しています。また、負債規模「10億円以上」も前年はゼロだったものが、2017年上半期では5件になっています。

中小企業の6割が人手不足

実際、中小企業の人手不足は深刻です。
日本商工会議所がまとめた「人手不足等への対応に関する調査」では中小企業の6割が人手不足と回答しています。
従業員の確保ができず業務の継続が困難になり、廃業や規模縮小に追い込まれるという事態は日本経済そのものにとって非常に申告な問題であると言えます。

賃金上昇率は中小企業のほうが大企業より大きい

人手不足の中小企業は、従業員を確保するために賃金の引き上げを迫られています。
その負担は大きな企業よりも大きくなっています。
2016年の上昇率は社員100人未満の中小企業が0.9%だったのに対し、500人以上の大企業は0.6%であり、中小企業のほうが、従業員の賃金が上昇していることが分かります。

経営圧迫

また、賃金が上昇したからといって、その上昇分を価格に転嫁できるわけではありません。
つまり、多くの中小企業で人手不足による賃金上昇が経営を圧迫していると言えます。
人手不足による悪影響は、単純に業務が運営できないという点にとどまらずに、人件費高騰による経営圧迫という点にも及んでいます。

 

政府の政策との整合性

昨年、政府は働き方改革を打ち出しました。大手企業は政府の改革案を遂行しようとする一方、人手不足の現状と矛盾するのも事実です。
働き方改革とはどのようなもので、働き方改革はどのような影響を及ぼしたのでしょうか?

働き方改革

働き方改革とは、総理大臣自らが議長となって、労働界と産業界のトップと有識者が集まって、これまでよりレベルを上げて議論する場として設置された働き方改革実現会議によって策定された、働き方改革実現計画に基づいて、労働政策審議会において実行計画を前提に審議を行い、政府は関係法律案等を早期に国会に提出することが求められるものです。
具体的には①同一賃金同一労働②賃金引上げと労働生産性向上③長時間労働の是正④十何が働き方がしやすい職場環境の整備⑤子育て・介護等と仕事の両立⑥高齢者の就業促進⑦外国人材の受け入れといったことを挙げることができます。

ノー残業

働き方改革によって取り入れられたのは、毎週水曜日のノー残業デーです。
毎週水曜日には残業なしの定時で終業するように政府が喚起したものですが、取り入れる企業も少なくありません。
また、これに伴って、水曜日だけでなく、基本的に残業を禁止する企業も少なくありません。
さらに、月末の金曜日は15時退社のプレミアムフライデーも政府は推奨しましたが、最初は多くの企業が取り入れていたものの、仕事が回らないことから最近はプレミアムフライデーを取り入れる企業も減少しており、政府関係者も見直しに言及しています。
いずれにせよ、働き方改革によって、従業員は残業を減少させ、仕事よりも家庭やプライベートの充実を図るように動いています。
また、企業も残業代の節約につながります。
その一方、残業代の減少によって生活の圧迫や、住宅ローンなどの支払いの困窮などと言ったことも問題化しています。
それに加えて、社会的な人手不足ですので、企業はより一層の業務の効率化が社会的にも政治的にも求められていることは間違いないでしょう。

 

解決には構造的問題の取り組みが重要

さて、この人手不足の問題を解消するにはどのようにすべきでしょうか?一般的に言われている解決策をいくつかまとめてみました。

・ブロックチェーン、AI技術の導入などの効率化
昨今、一大ムーブメントを巻き起こしているブロックチェーンやAI技術の導入が企業の業務効率化に役立つと言われています。
ブロックチェーンとは、改ざんがほぼ不可能な分散型の取引台帳です。
例えば、お金の送金を例に挙げてみましょう。
今は、銀行や為替システムなどの中央のサーバーを介してお金の送金を行っています。
自分と相手だけで、お金を送ったというデータだけをやり取りしても、どちらか一方が、データを改ざんしてしまう可能性があるため、信憑性を保つためには信頼のある銀行などの中央サーバーを介す必要があるのです。
しかし、ブロックチェーン技術を導入すれば個人同士の取引が信頼のおける取引となります。
お金の受送金のデータは改ざんできないためです。
この技術が導入されれば、中央サーバーを管理する人員を削減することによって、他の業種へ人員が回ることになります。
また、今は、運送業・製造業で顕著に人手不足となっていますが、AI技術によって人が管理していた部署をコンピューターに任せればその分人手不足は解消されることになります。
運送業などでも自動運転技術によってドライバーの不足を補える日が来るかもしれません。
このように、技術の進歩によって人手不足を解消できる可能性があり、政府もAIやブロックチェーン技術の普及に国を挙げて取り組む姿勢を見せています。

扶養控除の見直し

現在、扶養控除が受けられるのは年収103万円までとなっています。
主婦は103万円を超えると、控除額である38万円がなくなってしまうため、この「103万円の壁」が主婦の労働時間の壁となっていました。
つまり、より働けるだけの体力的・時間的余力がある人であっても103万円を超えたくないがために労働時間を短くしている主婦が多かったのです。
このたび政府は制度改正を行い、扶養控除の上限年収の150万円としました。
施行は2018年1月からですが、今後はより一層、主婦がパート勤務を行うインセンティブとなることが期待されています。

定年退職年齢の引き上げ

多くの民間企業の定年退職年齢は60歳~65歳というのが一般的です。
今は70歳までは働きたいという人が多いことから、定年退職年齢を思い切って70歳くらいまで引き上げれば人手不足の解消につながります。

年金支給開始年齢の引き上げ

定年退職年齢引き上げとセットで行うべきなのが、年金支給開始年齢の引き上げです。
年金がもらえるまでは仕事をしようという心理が多くのシニアに働いています。
国を挙げて、シニア世代の引退を引き延ばしたいのであれば、年金支給開始年齢の引き上げもセットで行うできでしょう。

役所の効率化→人手を民間企業へ

先ほど述べた、ブロックチェーン技術は役所の中でこそ活用が期待できる技術であると筆者は思います。
住民票、課税、登記、戸籍等といったデータは改ざんされてしまえば国民や市民を管理できないからこそ、役所という信用のおける期間で管理しているデータです。
しかし、システムそのものが改ざん不可能なブロックチェーン技術であれば、役所で膨大な税金を使わなくても管理が可能です。
マイナンバーなどをわざわざ使わなくても、本人にしか開けない鍵を発行することで、データにアクセスできる人も役所か本人だけという状態にすることができるため、プライバシーも全く問題ありません。
実際に、医療カルテにブロックチェーン技術を導入し、本人のカルテ情報を他の医療機関を受診した時に、ほかの医者が閲覧でき、プライバシーも守ることができるという技術も始まっています。
このように、役所業務は特にまだ効率化が図れる部分であると考えます。
どこの役所も新卒採用人数は毎年そうは変わりませんが、効率化を図れば優秀な人材を民間に回すことができる余地はかなり高いと筆者は考えます。

 

まとめ

中小企業の人出不足は深刻化しており、人材を確保するために賃金が上昇し、経営が圧迫されています。
また、人材が確保できず、小さな企業ほど事業の継続が困難になっています。
その一方、政府の方針や世論の流れによって会社での残業が許されない時代にもなっています。
つまり、少ない労働人口の中にあって1人あたりの労働時間を短くしなければならないのが、今の労働環境の現実です。
解決のために求められることは、女性のより一層の活用と、多用な働き方の実現、AIやブロックチェーン技術の導入によるさらなる仕事の効率化ではないでしょうか?
制度面、資金面で、国を挙げての人手不足の解消が求められています。



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