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中小企業向け事業資金融資(設備資金)で保証付き融資減少の実情を元銀行員が語る

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2018年10月の日経新聞にこんな記事がありました。

中小企業向け融資、リスク恐れず「保証付き」バブル期以来の低水準
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36662470Y8A011C1EE9000/

中小企業向けの融資といえば、「信用保証協会の保証付融資」というのが、筆者が銀行に勤務していた2000年代〜2010年代は当たり前でした。

経営者の中にも、銀行に融資に相談をした際に「信用保証協会がなんと言うか・・」と言われた経験がある人も多いのではないでしょうか?

しかし、2018年、信用保証協会の保証付融資はバブル期以来の低水準となっており、その一方、プロパー融資、特に設備資金は右肩上がりに伸びています。

信用保証協会の保証付融資は、貸し倒れがあっても信用保証協会が融資残高を保証してくれるので、銀行にリスクはありませんが、プロパー融資は銀行が全てリスクを背負わなければなりません。

銀行がリスクをとってプロパー融資を推進している背景にはどのような理由があるのでしょうか?

銀行員として事業性融資を取り扱ってきた背景から、理由を考えていきたいと思います。

 

2008年のリーマンショック前から2010年代前半の事業資金融資

筆者が銀行に勤務していた頃というのは、事業資金といえば、信用保証協会の保証をつけるのが当たり前でした。

まずは、信用保証協会の保証付融資を銀行が積極的に行なっていた頃の銀行の事業資金融資の実態について説明していきます。

保証協会付でないと融資をしない

筆者が銀行で事業資金の融資を行なっているときというのは、信用保証協会付の融資でないと、融資をしないのが当たり前でした。

融資の可否は、信用保証協会の保証を得ることができるかどうかと言っても過言ではありません。

また、信用保証協会から保証審査を断られてしまうと、プロパーなどの他の手段で融資を行うかどうかという検討は行われずに、融資そのものを断ってしまうことが一般的でした。

私たち現場の銀行員の感覚としては、保証協会の保証の有無で融資が決定する事業資金は、保証会社の保証がつくかつかないかだけで審査が左右されるカードローンやフリーローンの取り扱いとそれほど変わらないという感覚でした。

カードローンなどの個人向け融資は信用情報などからスコアリング審査を行いますので、銀行員が審査に介在する余地はありませんが、事業資金は、いかに上手に企業の将来性や安全性を信用保証協会へ説明することができるかどうかで、個人ローンと事業資金の違いは銀行員にとってその程度でした。

そこには、銀行員が企業を目利きするという価値観はありませんでした。

本来であれば、企業を育てなければならない銀行にとって、事業資金とはその程度の感覚だったというのが実感です。

プロパー融資に対応するのは優良企業のみ

プロパー融資とは、保証協会などの保証をつけずに銀行が全てのリスクを背負う融資です。

私たち銀行員の感覚では、「プロパー融資はどうせ通らないから扱わない」というものでした。

銀行が全てのリスクを背負うプロパー融資は、よほど銀行にとって優良取引先でないと融資を行わないというのが当たり前のようになっていました。

そのため、新しく取引を始める企業に対して、最初からプロパーで融資をすることなどほとんどありません。

これは、銀行の収益構造に問題があるのではなく、金融庁との関係が大きく影響していたのが実態だと思います。

金融庁の管理は不良債権にならないかどうかが主体

バブル崩壊以降、金融庁は「潰れない銀行」を作るために、とにかく銀行に不良債権処理を求め、銀行にリスク管理の徹底を迫りました。

リスク管理とはどのようなことでしょう?

それは、融資取引先が突然倒産して銀行に大きな損失が突発的に発生しないように、企業のリスクを判定し、そのリスクに見合った保全や引当金の設定を行うことです。

金融庁は銀行に定期的に「金融庁検査」というもの行なっています。

検査では、銀行が金融庁の方針に合致した運営を行なっているかどうかということがチェックされます。

ここで、チェックされてきたことは、銀行の企業に対するリスク評価が適正かどうか?ということが主になります。

金融庁検査では、支店ごとに金融庁の検査員に呼び出され「この企業は本当に正常先でいいのか?」というようなやりとりがかなり激しく行われてきました。

できる限り企業を正常先にしないと、貸倒引当金のコストが膨らんでしまう銀行と、銀行の隠れたリスクを少しでも洗い出したい金融庁の思惑がここでぶつかるのです。

金融庁から怒られることが銀行にとっては最も恐るべき事態ですので、金融庁に怒られる可能性のある融資はできる限り行いたくありません。

また、プロパー融資はリスクに応じて貸倒引当金を積まなければならないので、コストも高くなります。

この点、信用保証協会の保証付融資は銀行にはリスクが何もないので、金融庁に怒られることもなく、貸倒引当金のコストもなく、銀行にとってはうってつけの融資です。

そのため、プロパー融資でも対応することができるような企業に対しても、金融庁に突っ込まれないために「できる限り保証をつけて融資をしたい」というのが銀行の本音で、2014年までは、信用保証協会の保証付融資ばかり実行してきたのです。

中には、プロパー融資をわざわざ保証協会付きの融資で借り換えているような事例もありました。

 

2010年前半までの銀行の営業

森金融庁長官に代わるまでの2015年までは、銀行を監督する金融庁の姿勢は「銀行が不良債権を抱えていないかどうか」でした。

銀行がリスクを取れない中、私たち現場の営業は、かなり無理があるものだったと言わざるを得ません。

取引先企業や信用保証協会に対する姿勢について、実体験から説明していきたいと思います。

資金の必要ない取引先に借りてもらう

信用保証協会も、一般的に考えて「ここは返済できないだろう」とか「融資をしても成長が望めない」というような企業に対しては保証をしてくれません。

信用保証協会の保証を得ることができる企業はある程度健全な企業であることが基本になります。

銀行には資金を必要とする顧客から融資の相談が来ますが、そのような顧客は大抵信用保証協会の保証を得ることができないような、業況がかなり悪化した企業ばかりです。

銀行としては、なんとか融資量を伸ばさなければならないので、筆者のような一般の営業は、お金が必要もないような健全な企業のところに行って頭を下げてお金を借りてもらうというのが基本になります。

信用保証協会に保証してもらう

また、先ほど説明したように、銀行は信用保証協会の保証をつけて融資を行うのが基本ですので、銀行の融資を伸ばせるかどうかは、信用保証協会の保証を得られるかどうかにかかっていますので、信用保証協会にも「なんとか保証をお願いします」と頭を下げます。

信用保証協会担当者「この前も融資したじゃないですか?本当にこの会社にこんなにお金が必要なんですか?」

銀行「必要なんです。なんとかお願いします!」

というのが銀行と、信用保証協会のよくある会話です。

銀行マンといえば、将来性のある企業を見つけ融資によって成長させたり、倒産寸前の企業を融資によって再建するようなかっこいいイメージで入行した筆者ですが、銀行がそのようなリスクをとることはなく、不良債権にならないように、顧客にも信用保証協会にも頭を下げ、安全に安全に融資量を伸ばしていくというのが、基本的な営業スタイルでした。

 

プロパー融資が近年のびている理由

リスクを気にしてプロパー融資を行なってこなかった銀行ですが、近年はプロパー融資が伸びています。

筆者は、プロパー融資が延びている理由は、不良債権を気にして、信用保証協会保証付融資ばかりを行なっていたことと本質的には変わらないと考えています。

銀行は金融庁の言うことが絶対。金融庁の評価を気にしてリスクを取るようになっているのではないかと思います。

これは金融庁の方針変更に大きく関係しています。

これは一体どのようなことなのでしょうか?

金融庁の方針変更

2014年まで金融庁の方針は、銀行の不良債権管理が主でした。

金融庁の徹底した不良債権管理によって、確かに銀行経営は健全になりましたが、筆者の実感としては、「銀行は借りなくても健全に経営できる企業に融資をしているだけで、本当に資金が必要で、融資をすれば救えるかもしれない企業に融資をしていない」というものでした。

これは、銀行に対して常に指摘されてきた問題点でしたが、2015年、金融庁長官が森長官に変わってから、まさに、これまで銀行の安全優先だった金融庁の方針が180度変更になりました。

金融庁の方針は「不良債権をいかに持たないか」から、「銀行がいかにリスクをとって、地域の企業と経済を育成することができるか」というものに変わりました。

筆者が銀行員時代の友人から2017年くらいに話を聞いたところによると「最近はうちも簡単にプロパー融資が通るようになった」と話していました。

まさに、金融庁がバブル崩壊以降、銀行に不良債権処理を迫った原因である「金融検査マニュアル」というものの廃止を発表したのが2016年10月ですので、銀行がリスクのあるプロパー融資を伸ばしてことと、金融庁の方針転換が大きく関係していることは間違いありません。

銀行が評価を受ける基準は「いかにリスクがないか」ということから、「いかにリスクをとって企業の育成に積極的になれるか」ということですので、銀行は金融庁から評価を受けるためにプロパー融資を無理に伸ばしているのではないでしょうか?

銀行はかなり強引に金融庁の方針を徹底するような傾向があります。

その事例の1つとして、金融庁の新方針の1つに「新規顧客の開拓」という項目があります。

この基準が登場した途端に、銀行には新規口座の開設というノルマが登場し、筆者のところにも、「どこか口座を作ってくれる会社を紹介してくれないか?」という相談が来ました。

「使わなくても口座だけ作ってくれればいい」という話でしたので、銀行の金融庁に表面上評価を受ければ良いという姿勢に代わりがないように思います。

保証協会付きの融資をプロパーで借り換えるなどという、ほとんど意味のないことが行われているのも、銀行のこのような体裁だけを作るという姿勢に大きく関係しているものと思われます。

保証協会頼りの融資に限界

銀行経営という面で見ても、プロパー融資を伸ばさないと、収益的に限界にきているのではないかと思います。

先ほど述べたように、信用保証協会が保証をするのは、ある程度健全な企業です。

そこに対して銀行は無理矢理に融資を行なって来ましたので、これ以上借りてくれる企業がない状態です。

保証協会が保証をしないような企業に対してもリスクをとって融資をして行かなければ融資量を伸ばせないという現状もプロパー融資が伸びていることの背景にあるでしょう。

事業資金でもリスクを取る

さらに、銀行が主な収益源としてきたカードローン融資も2017年から審査は厳格化し、2018年から即日融資は不可能になり、銀行はこれ以上カードローン融資で収益を伸ばすことができなくなりました。

つまり、事業資金でもリスクを取らないと銀行は収益を出せなくなっているのです。

保証協会が保証しないような融資をしないと収益は取れないし、プロパー融資が金融庁から評価されるとなれば、銀行がプロパー融資を伸ばすのは当然ではないでしょうか?

今後はますます伸びて行くのでは

銀行が企業のリスクや将来性を適正に評価して、積極的にリスクを取りに行くのであれば、これは本来の銀行のあるべき正しい姿勢だと思います。

これまで資金的な援助を受けることができなかった、業績が悪い企業が復活する可能性もありますし、銀行からは相手にされなかったベンチャーなどが育っていく可能性はあります。

しかし、現実問題として、銀行が体裁を整え、場当たり的な融資によってプロパー融資を伸ばしているのであれば、今後銀行のリスクはますます高くなるのでは?と考えてしまいます。

筆者の実体験として、銀行員は長く保証協会に頼った融資を行なってきたため、目利きの能力はそれほどありません。

また、金融庁→銀行本部→支店→銀行員という上意下達のノルマをこなしているだけという姿勢に変わりはないためです。

銀行によってどのような案件にプロパー融資を行なっているかは分かりませんし、姿勢は銀行によっても異なるので内情はわかりませんが、今後銀行がプロパー融資をさらに拡大していく方向性は変わらないと思います。

2018年7月に金融庁長官は森長官から遠藤長官に変わりましたが、金融庁の大きな方向性に変わりはないためです。

 

まとめ

銀行がプロパー融資を伸ばしている背景には、金融庁の方針転換によって、銀行がリスクをとることができるようななったことにあるのではないかと思います。

実際に銀行に勤務していた筆者が思う銀行の問題点は、何の融資を行うのではないかではなく、最も現場に近い、一般の銀行員が考えて仕事をする環境にないということだと思います。

保証協会付きの融資であれ、プロパー融資であれ、営業現場にいる銀行員が「この会社は成長できる」と判断し、そこに対して、適正にリスクを把握して、必要な資金を融資できる環境にあれば、銀行は成長することができますが、実態としてはただノルマをこなしているだけで、おそらく「プロパー融資を伸ばせ」とノルマが来て、それをこなしているだけだと思われます。

でなければ、延滞先へのプロパー融資や保証協会融資の借り換えなどはあり得ません。

せっかく銀行が自主的にリスクをとることができるようになったのですから、銀行が本気で地域経済を発展させる融資を行うことができる体質の転換が望まれます。

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