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銀行の事業ローンと事業性資金融資で借入

銀行の保証協会付き融資と銀行プロパー融資の違い比較/審査が厳しいのは?

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銀行から事業資金の融資を受ける際には、大きく分けて保証協会付の融資とプロパー融資という方法があります。
2つの融資方法には負担や金利などの様々な面で違いがあります。

■銀行融資の基本的な仕組み
まずは銀行融資の基本的な考え方を説明します。

・銀行は貸したお金が不良債権化するのを最も嫌がる
貸したお金は銀行にとって資産です。
しかし、返済が滞ると貸したお金が全額返済されない可能性があるため、そのような債権(貸したお金)は不良債権と呼ばれます。
不良債権は貸したお金の50%~90%程度を貸し倒れてもいいように積み立てておかなければならず、銀行にとってはその分だけ費用が増大することになります。
このため、銀行にとっても最も嫌なことは貸したお金が不良債権化することです。

・保証協会付の融資は不良債権の可能性がゼロになる
融資に保証協会の保証を付けた場合、貸したお金の返済が滞った際に保証協会に代位弁済請求をかけると、保証協会が借主に代わって融資残高の全額または大部分を立て替えてくれます。
つまり信用保証協会の保証さえつけば、貸したお金が長期間返済が履行されないまま塩漬けにされるというリスクがなくなります。
中小企業は大企業と比べて経営が安定せず信用力も低いため、従来は銀行の信用度を獲得できずに必要なだけの資金を借りることができなかったり、金利が高めの設定にされたりしてきましたが、信用保証協会の保証が付くことによって、中小企業も銀行から資金調達をしやすくなります。
信用保証協会は中小企業の資金繰りの円滑化に大きな役割を果たしています。

・保証協会付の融資には保証料が発生する
保証協会はタダで保証をしてくれるわけではありません。
金利とは別に定められた保証料を信用保証協会に支払うことで保証を行います。
銀行の保証会社付のカードローンの保証料が金利に含まれていることに対して、保証協会の保証料は別払いです。
また、どの会社でも保証してくれるわけではなく、保証を行っても大丈夫な先か、リスクはどの程度なのかなどの審査を行い、保証をしても大丈夫と判断した場合にはリスクに応じた保証料を算出します。
・プロパー融資も保証協会付融資も代表者が連帯保証人となることが基本
会社名義で融資を受ける場合には、プロパーも保証協会付も会社の代表者が連帯保証人となることが基本です。
会社名義で借りた借金をもって逃げてしまわないように、会社の経営者が会社経営に対して真剣になるようにするためであると言われています。

・返済が滞った場合の後処理がプロパーと保証付きでは異なる
保証協会付の融資かプロパー融資かで最も異なる点は、返済が滞った場合の対応です。
前述したように保証協会付の融資の場合には保証協会に代位弁済請求を行い、債権は銀行から保証協会に移ります。
借主はその後は保証協会にお金を返済していくことになります。
一方、保証がないプロパー融資の場合には、保証人に請求が行くか、どのように返済を行っていくかを銀行と相談しなければなりません。
この際にどうしても返済の見通しが立たない場合には、会社は連帯保証人になっている代表者などの資産を差し押さえる強制執行の申し立てが裁判所に行われます。

・申し込む際にはどちらかを選択する余地はほとんどない
銀行に融資を申し込む際には、プロパー融資と保証協会付融資のどちらがよいと選択する余地はほとんどありません。
基本的には会社の決算書や資金使途などから銀行がどちらの融資を行うか決定します。
銀行にとって信用がそれほどない企業に対して、無保証で融資を行うということは、貸したお金が不良債権化するリスクが高いとも言えます。
このため、取引実績がほとんどない会社や、業況が芳しくない会社へプロパー融資を行うことはほとんどありません。
何の保証もないプロパー融資を受けることができるということは、銀行にとって信用の証です。
筆者が銀行員時代は、銀行にとって取引実績が長く、過去にプロパーで融資を受けていた会社へ「今回は保証協会付で」と話しをすると「俺の会社に信用がないってことか!?」と激怒する社長も少なくありませんでした。
いずれにせよ、銀行にとって信用度の高い会社にしかプロパー融資を行わないため、銀行の審査によってプロパーか保証協会付かが決められてしまいます。
しかし、銀行は不良債権を恐れるあまりに保証協会付でしか融資を行わず、実質的に審査を行っているのは保証協会になってしまっているという実情があります。
銀行がただの信用保証協会の窓口化しているという批判も少なくなく、近年は少しずつですがプロパー融資も充実させつつあります。

■保証協会付融資とは

・保証協会とは
信用保証協会とは、プロパーでは資金調達がしにくい中小企業の資金繰りを円滑化するために銀行の中小企業向け融資の保証を行う認可法人です。
すべての都道府県にあり、横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市には市内だけの信用保証協会があるため、全国で51の信用保証協会があります。

・保証料の相場はどのくらい?
前述したように信用保証協会は保証の際にお金を借りる人から保証料を受け取っています。
保証料の算定は企業の評価に基づいて行われ、信用保証協会は会社や個人事業主を審査の際に9つにランク分けし、そのランクに応じて保証料率が算定されます。
筆者の居住する長野県の信用保証協会の保証料率は以下の通りです。

区分 1 2 3 4 5 6 7 8 9
責任共有保証料率 1.90 1.75 1.55 1.35 1.15 1.00 0.80 0.60 0.45
責任共有外保証料率 2.20 2.00 1.80 1.60 1.35 1.10 0.90 0.70 0.50
単位%

責任共有というのは融資残高の90%を保証協会が弁済して、残りは銀行が持つという制度です。
このため、保証料若干低くなります。
最も低い保証料で責任共有で借りた場合には1,000万円借りても保証料は50,000円程度ですので、それほど高い保証料ではありません。
なお、地方自治体の制度資金などでは、上記の保証料からさらに優遇された特別な保証料が適用されることもあります。

・金利は制度資金以外は高め
保証協会付の融資は銀行がプロパー融資に応じるほどの信用力があると判断できないからこそ、保証協会の保証を付けるわけです。
そのため、一般的に保証協会付の融資は金利が3%以上になることも珍しくありません。
しかし、中小企業支援を支援するという公益性の観点から設立された制度資金の金利は1%台~2%台の低金利で借りることができます。

・地方自治体の制度資金は信用保証協会と銀行との3者で行われる
地方自治体には中小企業の振興のための施策の1つとして制度資金という融資制度があります。
これは地方自治体が融資を行うわけではありません。
例えば3期連続で売上が減少しているとか、当該自治体で創業行おうとしている人に対して、利息の補助や保証料の補助などを行う制度です。
この制度は、保証協会が保証を行う銀行融資に対して自治体が補助を行うというものですので、保証会社の保証の審査を通過していることが前提条件となります。
保証協会は制度資金だからと言って特別に審査を厳しくするようなことはありません。
銀行も同様です。
保証協会や銀行の審査を通過して、地方自治体の定める制度資金の基準に合致していれば制度資金融資を受けることができます。
銀行、保証協会、自治体の3者の審査を受けるため、審査に若干時間がかかります。
ちなみに制度資金の補助の内容は自治体によって様々です。
利息の補助を行う自治体もありますし、保証料を全額自治体が補助してくれるような資金も自治体によっては存在します。

・返済が滞り代位弁済となった場合には保証協会に債権が移る
返済が一定期間滞って返済の見込みが立たないと判断された場合には、銀行は信用保証協会に代位弁済請求を行います。
代位弁済請求が行われると保証協会は融資金額の残額を債務者に代わって銀行に支払います。
その時点で銀行と借主の関係は終了して、以後は債務者は信用保証協会に返済を行っていくことになります。
原則的には債務者は信用保証協に代位弁済してもらったお金を全額返済しなければなりませんが、実際には代位弁済以後はそれ以前に比べて返済が楽になるのが一般的です。
信用保証協会は代位弁済が行われた場合、中小企業信用保険法に定める保険事故に該当するため、日本政策金融公庫から代位弁済額の7割~9割の保険金が支払われます。
このため、信用保証協会は保険金の残額さえ回収できればトントンになります。
実務上「いくらなら毎月返済していけるか」などと債務者にとって非常に有利な条件で返済を行うことができたり、返済を続けているうちに「あとこれくらい返済してくれれば残金をチャラにする」と信用保証協会が言ってくることがあります。
これは、代位弁済金額の大部分をすでに保険料で受取っており、収支が合うためです。
そのため、よほど不誠実なことがない限り、信用保証協会が強制執行手続きなどを行うことは通常はありません。

■プロパー融資とは
プロパー融資とは、要するに保証協会や保証会社の保証を付けずに銀行がすべてのリスクを背負い融資を行うことです。
ひと昔前はこの方法が一般的でした。
しかし、バブル崩壊以降、不良債権処理に追われた銀行は保証協会付の融資を主流とするようになっています。

・債務不履行のリスクをすべて銀行が背負う
貸し付けたお金が返済されない時には、銀行はそのリスクをすべて負わなければなりません。
バブル崩壊以前は銀行が融資を行った先の業況をしっかりと把握せずに突然融資先が倒産すると言った事例がありました。
急に倒産すると、貸したお金がすべて損失となってしまい、銀行の業況は悪化します。
バブル崩壊時に銀行の倒産が相次いだのはそのためです。
そのため、国は銀行に対して年に一回は融資先の審査を行い、融資先に格付けを行うようにさせました。
この格付けで破綻懸念というような判断がされた場合には、銀行はいつ倒産しても急な損失がないように融資金額の何割かを積み立てておきます。
例えば、1,000万円の融資残高がある企業が破綻懸念となった場合に70%の貸倒引当金を積み立てるとします。
この場合には積立金は費用となりますので、その分だけ銀行の収益が圧迫されます。
プロパー融資の場合には結果的にたとえ倒産しなかったとしても、引当金の費用で収益を圧迫します。
倒産した場合にはリスクが高く、倒産しなくても業況によっては収益を圧迫するため、銀行はよほど信用力のある先にしかプロパー融資を行いません。

・信用力のかる会社へのみプロパー融資を実行する
保証協会付の融資には保証料が発生し、銀行審査に加えて保証協会の審査もあるため時間もかかります。
そのため、経営者とすればできればプロパー融資を受けたいものですが、前述しているように銀行は信用力のある会社にしかプロパー融資をおこないません。

・銀行にとってリスクが高いプロパー融資の方が金利が低い傾向に
ここまで述べてきたように、銀行は信用力のある先にしかプロパー融資を行いません。
筆者が勤務していた銀行でも、「格付けB以上の会社にだけ融資を行う資金」などが存在しました。
格付けが高い会社へ融資を行うため、金利は保証協会付の金利よりも低く設定されています。
金利とはリスクマネジメントであるため、本来であればプロパー融資ほど金利が高くなっていいはずですが、実際にはプロパー融資の方が金利が低く、1%を切るような商品も存在します。
逆に言えばそれだけプロパー融資は銀行にとって信用力のある会社へしか行わないと言えるでしょう。

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